大重潤一郎監督について

大重潤一郎:1946年鹿児島県生まれ。岩波映画の助監督となり、ドキュメンタリーを学ぶ。1970年に岩波の仲間達と自主制作で劇映画「黒神」を完成、ホールを借り て全国で自主上映する。この上映の拠点のひとつであった神戸に転居し、地方自治体の反公害映画やテレビドキュメンタリーなどを制作。76年から東京で制作 会社経営に専念する。

90年代に神戸に戻るが、95年、阪神淡路大震災に遭遇、その惨状を身をもって体験する。そこで 得た経験から、自然に対する畏敬の念が益々深まり、映画作りへの意欲を燃やす。沖縄の自然をテーマとした「光りの島」を皮切りに、自然の中における人間の位置を、常に自然の側から問いかける作品を作り続けた。その作品は、デビュー作「黒神」(1970年制作)から遺作「久高オデッセイ第三部 風章」まで一貫した映像詩であり、大重潤一郎は映像の魔術師、映像の吟遊詩人である。

2002年に沖縄・久高島に移住し、沖縄映像文化研究所を設立、理事長に就任。2004年、沖縄県より「美(ちゅ)ら島大使」の任命を受ける。2002年より、「神の島」と呼ばれる久高島(沖縄県知念村)を舞台にした映画「久高オデッセイ」三部作を制作。2006年に「久高オデッセイ第一部 結章」、2009年に「久高オデッセイ第二部 生章」を制作。そして、2013年から第三部の制作にとりかかり、2015年6月に完成。

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大重潤一郎作品

1970年 「黒神」 自主作品
1986年 「水と風」 建設省(当時)
1991年 「水の心」 自主作品
1992年 「未来の子供たちへ」 日本ナショナルトラスト協会
「水の光」 フジテレビジョン・関西テレビ放送
「風の光」 フジテレビジョン・関西テレビ放送 1993年 「葵祭」 フジテレビジョン・関西テレビ放送
1994年 「祇園祭」 フジテレビジョン・関西テレビ放送「日本ナショナルトラスト」 日本ナショナルトラスト協会
1995年 「光りの島」 自主作品(上条恒彦出演)
1996年 「風の島」 自主作品(大嶺實清出演)
2000年 「縄文」 福井県三方町縄文博物館(梅原猛監修)
「原郷ニライカナイへ」-比嘉康雄の魂- 自主作品(比嘉康雄出演)
2001年 「ビッグマウンテンへの道」 自主作品(山尾三省朗読)
「小川プロ訪問記」(大島渚・小川紳介出演)
2003年 「沖縄ちゅらビデオ」(DVD版)シリーズ 沖縄物産企業連合
2006年 「久高オデッセイ 第一部 結章」 沖縄映像文化研究所
2009年 「久高オデッセイ 第二部 生章」 沖縄映像文化研究所
2015年 「久高オデッセイ 第三部 風章」 沖縄映像文化研究所 

受賞歴
2003年 ベルリン国際映画祭正式招待

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