鍔、縁頭等のコレクション

北川茂が個人所有している武具コレクションを展示いたします


無銘 天法鍔
彫印打ち込み図 鉄地 木瓜型
彫印打ち込み 象嵌 両櫃 江戸前期
天法鍔の古作は家信風の力強い槌目仕上げの鉄板鍔に、
簡単な文字などの彫印を打ち込んだもので、
時には真鍮象嵌も見られる。
縦86mm 横82mm 切羽厚3.5mm
大振りで無骨一途の頼もしい実用品です



無銘
花篭図 鉄地 丸型
高彫り 象嵌 両櫃 江戸後期
縦74mm 横71mm 切羽厚4mm



無銘 薩摩鍔
鉄磨地 不定形八角型 鋤残耳 
大小手抜き緒穴銀象嵌 江戸後期
縦103mm 横101mm 切羽厚4mm
地鉄の鍛え極上なり、叩けば仏鈴の如し。
八角形は拵えにすると手の甲全体を防御するようにやや変形に作られています。
実用一点張りの無骨さの中に
銀象嵌の手抜き緒の穴が緊張感を和らげてくれます。


銘 東武住 継信造 寛政二正月日
分銅繋ぎ図 鉄地 木瓜型
 左右透かし 江戸中期
縦81mm 横77mm 切羽厚6mm
武州伊藤派。武州住継信と銘した刀工と合作の鍔がある。
全体に重厚な感じがする作品ですが茎穴は意外と小さく
二尺少々の刀身につけられた鍔のようです。



銘 武州住 正恒
河骨の図 鉄地 長丸型
肉彫り透かし 金象嵌 江戸中期
縦79mm 横75mm 切羽厚4mm
名は伊藤清三郎、伊藤派の二代目を継いだ同派随一の良工。
二代正恒は、相州小田原城主大久保加賀守の推挙で、
幕府のお抱え工となり一大派閥を形成して、幕末まで繁栄する。
代々神田白銀町に住し、「正」の字を頭につけた。
写実的な菊や桐などの草花を肉彫地透し金を多用する。
享保九年没(1774)



無銘
六角模様猪目透かし図 鉄地 六木爪型
透かし彫り 両櫃
縦69mm 横69mm 切羽厚4mm
均整のとれた幾何学模様は落ち着いた安定感があります



無銘 京正阿弥
甕図 鉄地 変り丸型
透かし彫り 両櫃 江戸前期
縦70mm 横68mm 切羽厚4mm
小さな取っ手が甕にアクセントを与え
竹をあしらった耳が甕の胴の丸みを強調しています。



銘 南紀住 正喜
輪車図 鉄地 長丸型
透かし彫り 肌鍛え碁石型 両櫃 
縦69mm 横65mm 切羽厚5mm
上田氏。後藤常正の門人。晩年に鎮斎と号した。紀州家の抱工。
木国正喜作、紀府住正喜、南紀住正喜、紀藩上田正喜と銘する。
鉄地丸型肌鍛に小透の鍔がある。巧手。
紀伊国和歌山住。江戸時代後期。
墨流しのような地鉄の鍛えはゾックとする厳しさがあります。



銘 英侶 (花押)
鏃の図 鉄地 木瓜型
肉彫り銀象嵌 片櫃 金覆輪 江戸後期
武具図の笄や鍔を作る
縦75mm 横69mm 切羽厚4mm
たいへんに精巧な平根と腸くりの鏃二本が
小柄櫃と調和し、素晴らしい鉄味に
純度を抑えた金覆輪が上品な感性を醸しだしています。
お気に入りの逸品です。



無銘 水戸
鬼鐘キの図 鉄荒し地 長丸型
高彫り 象嵌 両櫃
縦89mm 横83mm 切羽厚4mm



銘 若芝
(日本美術刀剣保存協会の保存刀装具鑑定付)
山水図 鉄地 堅丸型
鋤出彫 金布目象嵌 両櫃
縦79mm 横71mm 切羽厚4mm
喜左衛門を初代として平三郎や長右衛門が元禄から安永頃にかけて活躍し、
さらに江戸時代後期に、是幸、是光、是近、是高らが制鍔に従事した。
鉄地丸型の鍔に竹風、山水、雲竜図を彫り
布目象嵌と腐らし工法が得意である。
巧手。肥前国長崎住。江戸時代中期から後期。



銘 若芝
雲龍図 鉄地 長丸型
薄肉彫り 象嵌 両櫃
縦76mm 横72mm 切羽厚5mm
ねっとりとした素晴らしい鉄味で、若芝得意の雲龍図
龍の目に点象嵌が引き立ち
この鍔を拵えに着けていた持ち主の
得意顔が思い浮かぶようです。



無銘 水戸
寿老人、福禄寿、大黒三福神図 鉄地 木瓜型
高彫り 象嵌 色絵 耳打ち返し 両櫃
縦78mm 横76mm 切羽厚4mm
鉄味良く、三福神の極め細やかな象嵌細工が見所です。
磨耗した責金が残っており実際に使用されていたわりには保存状態が良好で
大切にされていたのがよく判ります。。



無銘 浜野
波に碇図 鉄地 丸型
鋤出し彫り 象嵌 据文 両櫃
縦80mm 横79mm 切羽厚4mm
よく見ていると波の音が聞こえてくるような気がしませんか。
裏面には赤銅で碇の据文象嵌がおしゃれです。



無銘
釣瓶図 四分一地 長丸型
高彫り 象嵌 色絵
縦55mm 横45mm 切羽厚3mm
見えないはずの釣瓶からの井戸の深さが
鍔面以上に奥深い不思議な広がりを与えています。


小柄 無銘 埋忠
雨龍図 鉄地 据文 色絵 小口、戸尻銀仕様
なかなかユーモラスな雨龍の据文象嵌です、
鉄地に小口、戸尻の銀金具が珍しい。



縁頭 無銘
丸に剣カタバミ図 鉄地 据文象嵌
縁39mm 頭36mm
この丸に剣カタバミ家紋図縁頭は
長年にわたり探し求めていた物で京都の刀剣商で入手。
同じくこの図案の鍔と目貫を探していますが気に入った物は見つかりません。
丸に剣カタバミ家紋図拵えを作る夢はまだまだ先のようです。



笄 無銘 水戸
空穂図 鉄地 高彫り 象嵌 色絵
全長21.5mm
弓具図拵えを作るために小道具を集めていましたが
居合に使用する弓具図の大刀拵えを作ったもので
せっかくの笄は使わずじまいのお蔵入りとなりました。