将棋駒コレクション

十三棋道舘道場が所有している銘駒のコレクションを展示いたします

八代目駒権赤松元一作 北川好 薩摩黄楊深彫り駒(特別注文品)
昭和48年に就職した時の初任給で制作予約をし、
駒のサイズを自分の指に合わせて注文したものです。
普通の駒より歩兵と香車がやや縦長で
この微妙な感じが北川好みとなって出ています。
この駒には振り駒用に歩兵が五枚と、お金が貯まるお守りにと金将が一枚、
香車のおまけが一枚の合計四十七枚がセットになっています。



八代目駒権赤松元一作 雲龍 薩摩黄楊彫り駒(使い込まれた普及品)
十三棋道舘道場初代道場長、真鍋不二雄氏からの預かり駒です。
昭和末年代まで棋道舘の師範席で使用していたもので、
一万局以上の対局に使用され角が丸くなり
飴色が冴える駒になりました。



八代目駒権赤松元一作 雲龍 薩摩黄楊彫り駒(未使用の普及品)
この駒も道場で使用するために昭和50年代初めに購入しましたが、
未使用のままお蔵入りしていたものです。
駒権の大阪彫りは坂田三吉の味です。しびれますね〜将棋指しの血が騒ぐ!



昇山作 清定書 島黄楊漆盛り上げ駒
独特の丸みのある小口取りの木目が清定の定家流書体と調和して
まろやかな上品さを表現しています。



天竜国井孝作 水無瀬 島黄楊正目盛り上げ駒
ひろく知られている水無瀬の書体で歩兵の裏字のと金が
釣り針のような独特のアールで表現されています。
大阪府三島郡島本町の水無瀬神宮に残っている古水無瀬の将棋駒は
四百年前に水無瀬兼成が書いたもので、記録に残る駒師のルーツです。
本作品は一般的な水無瀬で、古水無瀬の書体とは異なるものです。



大竹竹風作 菱湖書 島黄楊正目彫り駒(師範席での使用駒)
十三棋道舘道場将棋参段位、大垣隆氏からの寄贈駒です。
巻菱湖(まきのりょうこ)は、江戸時代末期の書家で、
流麗な菱湖流お書で一家を成し、
各種の書道手本をを世に残している。
菱湖の駒銘は、大正八年に大阪の高浜禎が、菱湖の手本文字を集めて構成し、
豊島龍山に作らせたのが始まりであるといわれています。
堂々たる大振りの駒に巻菱湖の書体が躍動し、
裏面には独特の連綿書体が余韻を醸し出しています。



一平作 清定 ブライヤー根杢彫り駒(希少逸品)
マドロスパイプに使うブライヤー根杢で出来た作品です。
使い込めば独特の色合いが出るのでしょうが未使用です。
太字から細字に、また細字から太字へと変化する
独特の筆法が特徴の藤原定家流の書体です。



天心作 守田宝丹長禄 ブライヤー根杢彫り駒(希少逸品)
上記の駒と同様に未使用です。
東京上野池ノ端の薬店宝丹の九代目主人。
長禄流の独自の書体は
縁起ものとして東京の人々から讃え喜ばれた。
この書体では対局使用に不向きで鑑賞して楽しむ駒でしょう。



一平作 錦旗 島黄楊一字彫り駒
十三棋道舘道場将棋初段位、中田近氏からの寄贈駒です。
一字彫りなので見易さがありますが、
少し物足りないように感じるには私だけでしようか。



天心作 一勇斎国芳 シャム黄楊彫り駒(この書体での彫り駒は珍品です)
昭和45年に山形県天童市の駒屋にて購入する。
角行と銀将の字がよく似ており、
飛車と香車の字の最終画が独特の安定感を出しています。
変わった書体なので気に入っていますが実戦には不向きです。
八代目駒権氏の鑑定では、一勇斎国芳の書体であるとのことでした。



天上作 シャム黄楊彫り駒 (十三棋道舘道場での使用駒)
当道場の一般席で使用している普及品の彫り駒です。
最初に購入した駒は角が取れて丸くなり、
駒裏の文字が磨耗により薄くなったので本品が二代目となります。
特に書体銘は無く、上彫りの歩兵駒といわれているものです。
使い込んでいるので角が取れ、なかなかの光沢です。
この駒も一万局は対局の経験していることでしょう。



井上保作 平成元年 古流中将棋駒 島黄楊彫り駒(希少駒)
十三棋道舘道場将棋弐段位、井上保氏に制作をおねがいした駒です。
特殊な中将棋彫り駒なので一般には販売されていません。
駒裏を朱漆にしているので駒数が多い割りには見やすく出来ています。



井上保作 平成三年 九世名人大橋宗英考案古流酉将棋 島黄楊彫り駒(超希少駒)
この駒も井上保氏の作品で駒裏は朱漆で仕上げています。
おそらく日本中を探しても十組と無い珍品駒でしょう。
この将棋は七路盤なので変化が少なく
ゲームとしてはすぐに飽きてしまうのが難点です。



刀の鍔 無銘
将棋駒散し図 鉄地 丸型
高彫り 象嵌 片櫃 象嵌
縦84mm 横82mm 切羽厚4mm 
保存状態が悪く鉄味もいまひとつですが
職業柄長年探し求めていた将棋駒にちなんだ鍔です。
この特注品の鍔を拵えに付けた武士は
さぞかし将棋が強かったのであろう
と想像するだけでも楽しくなりませんか。
数百年の時空を跳び越えて、ぜひ一局指してみたいものです。