十三棋道舘道場
開席29周年記念日を迎えて


年々厳しさを増し、止むことのない将棋界の嵐の中で、
笹舟のようにもまれもまれて十三棋道舘道場は、
平成18年5月1日に開席29周年を迎えました。

皆様方将棋愛好家のご支援の賜と深く感謝いたしております。
今後とも末永く道場ご利用のほどお願い申し上げます。

先行き厳しい将棋道場を盛り立てようと三年前に
西日本将棋道場連合会を立ち上げました。
しかし、道場衰退の荒波はいかんともしがたく、
この間にも多くの将棋道場が閉席いたしました。

対面将棋こそが唯一の将棋対局の形態であった時代から、
本来は代用品であるネット将棋が、
将棋対局の主流に変わりつつあります。

江戸期には刀法の修練が真剣から木刀に代わり、
木刀から竹刀に代わり、気がつけばいつの間にやら
代用品である竹刀がその主流になっていました。

まことに残念ではありますが、
将棋もこのような経過をもたどりそうな
気がいたします。

そこで、我々将棋道場経営者は、
対面将棋でないと絶対に味わえないような
将棋の醍醐味を楽しめる異次元空間を提供して
いかねばなりません。

駒音、相手の息遣い、相手の気合、独特の駆け引き、
行き詰まるような勝負の臨場感は、
やはり対面将棋でないと
味わえません。

この全てが、まさに将棋そのものなのです。

画面上では、平面としての将棋しか味わえません。
対面将棋では、多次元の将棋感覚が味わえます。

対局後の感想戦も楽しみで
棋力向上の大きな糧となります。

全国のネット将棋愛好家の皆さん
将棋本来の姿に、
今一度戻ろうではありませんか!

平成18年5月1日
弓刀吹将子