将棋「待った」で加藤九段処分
 
  「待った」で加藤九段を処分=出場停止など−日本将棋連盟

  日本将棋連盟は10日、
加藤一二三九段が第13期銀河戦で「待った」の反則をしたとして、
来期の同棋戦への出場停止と罰金の処分を決めたことを明らかにした。
同反則による処分は極めて異例という。

 処分対象となったのは、5月下旬に「囲碁・将棋チャンネル」で
放送された阿部隆八段との対局。
終盤で桂馬を「成らず」と指した直後、「成り」に変更した。
対局は加藤九段が勝ったが、視聴者から抗議があり
、連盟がビデオで確認、処分を決めた。 (時事通信)

この記事を目にした時、
あまりの恥ずかしさに愕然といたしました。

将棋を生業としている者の中に
加藤一二三九段のような破廉恥漢がいようとは、
いやはや驚き入った次第です。

常日頃、「将棋は日本の伝統文化であり、
その対局は棋道礼法に則り、
審判不在の中では武士道精神を基調とする
類まれなる紳士的競技である」
と人様には教えております。

普及第一主義を標榜する
米長邦雄会長をトップにいただく
日本将棋連盟が、加藤一二三九段に対して
この件に処分を決めたことは評価することができます。

ただし、
その内容たるやお粗末としか言いようのないものです。

反則行為があったと認定したにもかかわらず、
その対局は加藤九段が勝ちのままで、
これならば対局の勝敗は、
反則行為とまったく関係がないことになります。

アマチュアの大会では考えられないような判定が
将棋連盟の裁定だとは納得できるものではありません。

対局者は反則行為を犯すことは許されません。
しかし、棋士といえども人間である限り、
完璧であるものではありません。

問題は、反則行為を犯した時にその対局者が
いかように自裁するかということです。

ここのところが、その人間性の評価が分かれるところで
残念ながら棋力と比例するものではないようです。

                                平成17年6月11日  
                                       弓刀吹将子