将棋普及の具体的方法について


この提案は、日本将棋連盟関西本部に所属している
若手棋士有志の皆さんにお配りしたものです。

後日、同じ内容の提案を
弓刀吹将子が社団法人日本将棋連盟の会長・副会長、
および全国の日本将棋連盟支部連合会事務局あてに
送付させていただきました。

将棋愛好者人口の激減に直面し、苦悩を続ける将棋界を
甦らせるための一提案として本文を掲載し、
一石を投じるものであります。

これはあくまでも私的提案であり、
これを読まれた一人でも多くの方が、
より素晴らしいご意見を発表され、
将棋界の普及発展に寄与されんことを
期待いたしております。
平成16年7月9日(金)


@将棋普及路上イベント

ガラス張りの将棋対局室を備え、車屋上で解説用大盤が仮設できる
大型特別改造車をつくり、全国津々浦々で将棋普及路上イベントを開催する。
(例、日赤の路上献血車・選挙活動用の街頭宣伝車)
上記イベントには地元の将棋普及指導員の参加を要請する。

関心の無い人々にもアピールを繰り返す

誰でもが気軽にイベントに参加できる雰囲気をつくる


A優秀な人材の登用

将棋普及に貢献している棋士、指導棋士、指導員等の待遇を改善し、
優秀な人材を多数登用する。
普及なくしては将棋界の発展はおろか存続すらも危うい現実を
直視しなければならない。

ヒーローも大切ですが普及に携わる指導者の協力が必要

総合薬品メーカーでいえば、将棋の普及部門は新薬研究と販売部門を
兼ね備えた最重要な部門であり、ここに潤沢な活動資金をつぎ込まずして
将棋界の将来はない。


B将棋界の急務である将棋普及活動基金の創設

各種新聞棋戦の契約金の中から新聞社の承諾を取り、
将棋普及活動基金に使用する予算を定率で確保する。

普及活動資金がないのではなく作る努力をしていく


C組織の見直しと、三部門の分立運営

外部からの意見が通りにくい封建的な将棋連盟の体質を改善し、
優秀な人材を多数登用するためにも
社団法人システムに拘らず
新しい組織を模索すべきである。

競技部門、普及部門、後方部門の三部門を分立し
運営は全てその道の専門家に委ね、
各々はその部門に専念する。

また、関東と関西の運営を独立採算制として、
東西の緊張関係を醸し出すことにより将棋界全体の競争意識をかきたて、
よりエキサイテイングな将棋環境を一般にアピールし
沈滞した将棋界に活を入れる。


D日本将棋連盟の支部組織の抜本的な見直し

A)大会、昇段審査等に参加するための必要資格としての支部会員制度を作る

平たく言えば、日本将棋連盟が主催、後援、協賛する
全ての大会や昇段審査に参加するには、
日本将棋連盟の支部会員であることが必要条件であるとの
一般常識を作っていくべきである。

この件に関しては、
他の種目を統括する団体でも常識的なことであり、
この網掛けなくしては種目と組織の健全な発展は難しい。
また、これは種目を統括する団体に与えられた権利であり、
義務でもある。

ただし、これには将棋連盟組織の三部門の分立が建前であり、
開かれた日本将棋連盟の組織であることが大前提となる。


B)支部活動を活発化するために都道府県の支部連合会組織を充実させる

今までは支部そのものの管轄が日本将棋連盟であったが、
各支部は各々の県支部連合会が統括し、
県支部連合会を日本将棋連盟が統括する。
これが組織としての健全な図式である。

本来ならば支部会費は県支部連合会が受け取り、
大会や低段位審査、各種イベントも県支部連合会レベルで行い、
県支部連合会から日本将棋連盟に県連会費を納入する。
この仕組みが自然な形です。

しかし、今現在では日本将棋連盟が全ての支部を統括し、
各都道府県の支部連合会は有名無実化し、
発足以来四半世紀以上にわたり
全国支部連合会の代表者会議すらもおこなわれていない
幽霊組織となっている。

まさしくこれは、日本将棋連盟の組織運営に対する
怠慢以外のなにものでもありません。


C)評議員制度導入の検討

開かれた日本将棋連盟を作る意味からも、
連盟の会長、副会長以下主要ポストを選任する
評議員制度の採用が必要であると考えられる。

これには、将棋界を支える一般支部会員、
スポンサー、将棋連盟職員、学識経験者、棋具製造者、
マスコミ関係者、棋士(指導棋士、女流棋士等を含む)の代表者から選任し、
日本将棋連盟の基本的運営方針を審議するシステムを作り、
広く一般の将棋界に対する意見を尊重していく体制を創る必要がある。


E県支部連合会と支部の普及活動に対する援助

ア)支部会費のうち2割は、支部運営費として各支部に還付する。
また支部会員数に比例して、
対局時計や普及用の簡易盤、駒などを提供する。

イ)永年勤続の支部連合会役員、支部役員が勇退する時は、
日本将棋連盟会長、県支部連合会長から表彰する。
また、永年継続している県支部連合会、支部に対しても同じく
表彰の対象とし、連盟機関紙「将棋世界」に掲載する。

ウ)支部に対して普及のため、棋士の無料派遣指導を義務化し、
棋士全員で支部の指導体制の割り当てを決め、
細やかに普及活動をサポートする。
(支部名簿の師範名が有名無実化している)

これが将棋普及の原点です

エ)将棋連盟の機関紙に、県支部連合会と支部関係の記事を
掲載するスペースを大きく作る。
これは「将棋世界」が日本将棋連盟の機関紙である性格上、
連盟を支える県支部連合会や支部の記事を
優先的に掲載するのは当然のことである。
立派な機関紙があるので、「将ちゃんニュース」の発行は
不必要であろう。

※上記項目を早期に実行しなければ、将棋連盟の支部ごと
アマ連の支部に乗り換えるところが出てきます。


F将棋対局中の完全禁煙制度

将棋に対する一般的なイメージを少しでもアップするために連盟が主導し、
「対局中の完全禁煙制度」と「棋道礼法の制度」を作り上げる。
「将棋の対局=禁煙」と「棋道礼法の厳守」を徹底することにより、
女性、子供に対する将棋の普及に役立てることができる。

また、NHKの将棋講座や、各地の将棋まつりの会場等においても
「禁煙教育」の徹底と「棋道礼法」の啓蒙を重点的に行なうようにする。


G将棋界の社会貢献

年末のチャリティー将棋大会やサイン会を各地で実施する。
自然災害時などの時には、速やかに復旧支援金を集めるためのイベント等を行い、
将棋界の社会貢献をアピールし、普及活動にも役立てる。


H街道場と将棋連盟とを繋ぐシステムの構築

一般の街道場には将棋を愛好するアマチュアの方々が来場しています。
今まで30年近く将棋道場の経営に携わっていますが
道場の経営を通じて将棋連盟とのかかわりは皆無です。
これは一体何を意味するのでしょうか?
将棋連盟の運営が、
アマチュアの声をいかに無視してきたかの現れです。

私が日本将棋連盟の責任者ならば、
普及に関しては全国の将棋道場席主、支部関係者、
その他の団体で将棋普及の世話をしている指導者の方々に
地域別に集まっていただき
連盟職員、棋士をも含めた普及のためにの専門会議を
開催していたことでしょう。

また、その会議内容は将棋世界や週刊将棋などで公表し、
一般の方々からの意見も聴取して、
将棋普及活動の指針としていたことでしょう。

広く将棋愛好者の声を聴き迅速に対応していれば、
ここまでの将棋人気低落、
競技将棋人口の下落、
将棋連盟離れは食い止めることができたのではないか
と思われ残念でなりません。


I和装の提唱

日本の伝統文化である将棋を広く社会にアピールし、
より厳粛さを強調して将棋界のグレードをアップするためにも
正座による専門棋士の対局は
できうる限り和装での対局を提唱いたします。

棋道礼法との兼ね合いの問題


J学校教育で選択科目としての将棋・囲碁教科の実現に向けて

将棋界、囲碁界が提携し、文部科学省に対して
全国の小中学校での選択科目の一つとして、
将棋、囲碁が取り上げられるよう長期的な視野で働きかける。

将棋、囲碁教育に携わる普及指導者の雇用拡大をはかる



※上記内容につきまして、ご意見、ご質問等がございましたら
下記までメールをいただきますよう、お願い申し上げます。
なお、勝手ながら匿名のメールはご遠慮願います。

 E-mail juuso-kidokan@par.odn.ne.jp
  日本将棋連盟大阪府支部連合会長
  西日本将棋道場連合会長 将棋普及指導員
    文武両道十三棋道舘道場席主師範 
     弓刀吹将子こと北川 茂