弓具関係コレクション(1)

北川茂が個人所有している弓具のコレクションを展示いたします



鏃工譜(鏃研究者には垂涎の希少本)
瀬尾石根著 株式会社似玉堂 昭和7年4月25日発行



狩股の鏃と猪の目透かし平根の鏃
上記二点の鏃は箙の上差し矢に用いられるものである。
この狩股の矢は開戦の第一矢や、出陣などに際して
武運長久を祈るために神前に奉納するときなどに用いたれたと考えられている。



四種類十一点の鏃
             一段目の三点は燕型の豆鏃(珍品) 在銘 スケミチ 
二段目の三点は定角型の豆鏃
 三段目の三点は笹葉型の並寸鏃
  四段目の二点は定角型の大きな鏃



盾割の鏃(四点)
木製の盾板を割るために楔型をしている特殊な鏃



鏃工譜の冊子中挿絵



狩股の鏃先



猪の目透かし平根の鏃先



二重桜透かし平根の鏃先



研ぎ澄まされた定角型の鏃先
小振りな槍の穂先を見るようで、直刃の波紋が美しい



為朝剣透かし彫り大鏃
強弓の使い手として知られる鎮西八郎為朝が用いたとされる大鏃のレプリカ
まるで槍の穂先のようです。
またこの鏃を模して籠槍拵や、手付き槍拵などが作られいます。



為朝二重桜透かし彫り大平根の鏃
強弓の使い手として知られる鎮西八郎為朝が用いたとされる大平根型の鏃レプリカ



打ち根拵え 
穂先は平三角槍、銘 藤原国重作
大阪府教育委員会 平成7年登録
穂先14cm 茎長21.5cm 彫刻棒樋一本 目釘穴1ケ 拵え全長50cm

打根は通常一尺二寸から一尺八寸ぐらいで、
平三角で四、五寸の槍穂先を直径六分程の竹や樫の木にすげ込み、
元には大羽根一対と小羽根一対を付け、筈尻から紐を仕込む
その用法は投げて筈尻に仕込んである紐にて回収し再使用したり、
手突き槍として使用したり、
弦が切れの弓の鉾先に打根を縛り槍として使用したと言われている。
日置流弓術の別伝として伝わり、
日置流印西派摂津系川島正晃師範が伝承している。



浮絵和国景跡京都三十三軒堂之図 哥川豊春画 永寿堂西村屋



土佐光起筆 職人画
左側 弓師の図   右側 矢師の図
この原絵は合計24枚で「職人合わせ」と称し、六曲一双の屏風として
武蔵国川越の喜多院に秘蔵されています。
古色蒼然とした色彩の調和は非常に秀でたもので、
無落款ではあるがその構図の按排筆意より推して、
土佐光起なりと称せられています。
それぞれが往時の風俗を現し、その時代を研究する者には
かけがえのない参考資料となっています。